アグリアクションレポートVol.19 JA新はこだて ふっくりんこ
皆さんこんにちは!スペシャルサポーターの若林聖子です!
2025年もあっという間でしたね。師走のこの時期、いかがお過ごしですか?
今年最後の大仕事は、「令和7年度 道南・後志・日胆・石狩地区合同JA役員研修会」で講演をさせていただきました。タイトルは『波乱万丈のアナウンサー生活の中で生み出した、信頼関係づくり』

日本の“食・緑・水”を守るという大切な任務を担う皆さまの前で、私がお話しするなんて本当におこがましいのですが…
それでも会場の空気は優しく、たくさんの皆さんと笑い合いながらお話することができて。
JAの皆さんって本当に心が温かい方ばかりです。
私にとって2025年一番の思い出深い出来事になりました。
さて、この研修会でご縁をいただいたのが、道南を中心に豊かな農業を支えている JA新はこだての皆さんです。
今年は本当にお米の話題が多かった一年でしたよね。

天候の影響による不安や価格の動き、「日本のお米ってどうなるの?」と心配した方も多かったはずです。
そんな中、改めて“お米を守る人たち”の努力に触れられたことは、私自身にとって大きな学びでした。
素敵なお話を聞かせてくださったのは、JA新はこだて常務理事の 新谷正人さん

どんな年でも、おいしいお米の供給を止めないために、そして北海道のお米づくりの“知られざる努力”を教えていただきました。
皆さんは道南を代表するブランド米 『ふっくりんこ』をご存知でしょうか??

名前を聞いたことがある!という方も多いはず。
このお米、ただ“おいしい”だけじゃなく、誕生までに長い時間と情熱がたっぷり注がれて作られているのです。
ルーツは、1993年、道南を襲った冷害にあります。
この年、地域で長く大切にされてきた晩生の良食味米が十分に実らず、生産者さんたちは深いショックを受けました。
「北海道の気候に負けないお米を育てたい。しかも、おいしさは絶対にあきらめない」そんな強い思いを胸に、新しい米づくりの挑戦が始まりました。

とはいえ、その挑戦はすぐに形になるものではありません。
交配と選抜、試験を何度も繰り返し、また振り出しに戻ることもある。
気の遠くなるような作業を、研究者、生産者、そしてJAが約10年にわたりコツコツ積み重ね、2003年に「寒さに強く、それでいてやさしい甘みを持つ」新品種が誕生!
全国公募4655件から選ばれた名前――「ふっくりんこ」として世に送り出されました。

名前の響きの通り、炊き上がりの白さ・つや・ふっくら感を大切にしたおいしい品種となったわけですが…。誕生してすぐに大規模に広げたられたわけではありません。
まずは生産地域を限定し、徹底した品質管理を行い、「本当においしい北海道米」を届けるための信頼づくりを最優先したとのことです。
あの冷害での悔しさと、「同じ思いを二度としたくない」という強い覚悟から生まれた姿勢がいまの人気へとつながっていきます。
現在は道南以外の地域でも栽培され、大丸札幌店の千野米穀店でも量り売りされていたり・・・、JALのファーストクラスや有名飲食店でも使われていたり・・・と、その努力は着実の実を結び北海道を代表するお米のひとつになりました。

私も実際に食べてみました。
感想をひと言。
「ふっくりんこ、本当においしいです」
シンプルすぎる?いえいえ、本当にこの一言に尽きます。
まず炊き上がりの見た目。

炊飯器を開けた瞬間、白くツヤっと光っていてお米一粒一粒が「ふっくらしている!」と分かります。
お箸を入れるとやさしい弾力があって、口に入れると甘みがふわっと広がる。
北海道のお米ってすごい。感動していました。
感動はまだ続きます。翌日、冷めてもおいしかったこと。
これは本当にありがたい!
お弁当やおにぎりにしても硬くならず、もちっとした食感と甘さがしっかり残ります。

これは胸を張って大声で叫びたい!ふっくりんこは最高の北海道米だと。
冷害をきっかけに生まれた挑戦の歴史と、生産者の努力、そしてJAグループ北海道の支え。お米一粒に込められた想いを知ると、その味わいがさらに深く感じられます。
新谷さんのお話、深く身に染みました。

今年は、“日本のお米の大切さ”に改めて光が当たった一年です。
もしお店で“ふっくりんこ”のマークを見かけたら、ぜひ一度食べてみてください。
皆さんは炊き立てのお米の湯気の向こうに、道南の田んぼ、生産者の皆さんの姿、そして長い年月の挑戦の物語が浮かんでくる・・・はずです。
2025年も大変お世話になりました。来年も、食卓の笑顔につながる情報を皆さんにお届けできるよう頑張ります。
どうぞ、良いお年をお迎えください!
