アグリアクションレポートVol.24 JA新はこだて しりうちニラ北の華
二月の終わり。
日差しにはほんの少し春の気配が混じっていますが、北海道はまだ冬の冷たい空気の中にあります。
この時期、娘の学校では体調を崩す子がちらほら。
そんな話を聞くと、私は決まって冷蔵庫から“あの野菜”を取り出します。
ニラ。

袋を開けた瞬間——
「あ、今日ニラだね!」
やっぱりすぐ見つかります(笑)。あのちょっとした香りの主張も、わが家ではすっかり冬の風物詩です。
味噌汁、餃子、炒め物、お浸し、しゃぶしゃぶ、、、いろいろありますが、わが家の定番はニラ玉。
卵の黄色とニラの鮮やかな緑が並ぶだけで、食卓がぱっと明るくなります。
冬から春へ。季節をつなぐ橋渡しのような存在。にらは、わが家にとってそんな野菜です。
北海道フードマイスターとして学ぶ中でも、ニラは栄養豊富な食材。
香り成分アリシンやβカロテン、ビタミン類がたっぷり含まれ、寒い季節の体を内側から支えてくれます。
そんなニラですが、北海道の道南にある知内町が全国有数の産地だということをご存じでしょうか??
渡島地方南西部にある知内町は、知内川がもたらす肥沃な土壌と、津軽海峡に面した比較的温暖な気候を生かし
ハウス栽培を中心に一年を通して安定した出荷が行われています。

ちなみにお隣の木古内町は、ブランド牛の「はこだて和牛」が生産されています。
脂肪と赤身のバランスがよく、ヘルシーで肉の味がしっかりしているのが特徴の褐毛和種(あか牛)です。

可愛い牛の写真に癒されたところで「ニラ」に話を戻しましょう。
知内産ニラのブランド名は、しりうちニラ『北の華』
葉幅が広く、肉厚なのにやわらかく、ほんのり甘い。
火を通してもシャキシャキとした食感が残り、ニラのイメージが変わるおいしさです。
さらに、においの強い部分を丁寧に取り除いて出荷しているため、香りは爽やかで食べやすいのも特長。
「ニラ=においが強い」という印象が、きっと変わるはずです。
ニラは多年草で何度も刈り取ることができますが、株を弱らせない高さや時期の見極め、温度や水分の管理など、実はとても繊細な作物。
日々の丁寧な手入れの積み重ねが、あの一本につながっています。

今回取材にご協力いただいた新函館農業協同組合常務理事新谷正人さんも「寒い時期のニラは、ゆっくり育つ分甘みが増して味が濃くなるんですよ」と教えてくださいました。

冬の間にしっかり力を蓄えた“今だけ”の味わい。
それが、この季節のニラのおいしさなのですね。
食卓に並ぶ一皿の裏側には、産地の自然と生産者の努力があります。
そう思うと、いつものニラ玉が少し誇らしく、少し愛おしく感じられます。

ちなみに、
「ニラの香りが気になる…」という方は、刻んだあと軽く水にさらしたり、卵や味噌、油と合わせたりすると、ぐっとやわらぎます。
……とはいえ、
「あ、今日ニラだね!」と娘に言われるあの瞬間が私は大好きです。
台所に広がる香りとともに、わが家にも新しい季節の気配。
春は、もうすぐそこまで来ています。
